開界録2019

The time I retired from jobs is the period reviewing and comprehending my past life.

読書会の成り立ち

f:id:hotepoque:20180121170034j:plain

ぼく達の読書会は高校を卒業して地元に残った二人と東京に出てUターンした一人の、同級生三人で中年の四十歳を超えたあたりで何となく始められた。三人は同級生といってもいつも一緒にいた仲良しではなく、高校時代はほとんど付き合いがなかった。高校を卒業してからも付き合いがあったわけではない。大学も職種も職場も違っていた。金沢の国立大と市立大、東京の六大学をそれぞれ卒業した。二人は民間の中小企業に就職し、一人は高校の教員になった。ぼくはもともと非現実的な、目の前にない見えない世界が好きで、その世界を存在させることを求める癖があった。つまりぼく以外の人間と日頃使わない言葉を交流させることを心の底で渇望していた。彼らには日頃使わない言葉を持っていそうだった。Tは国旗掲揚時に起立しないし、Sは大学当局も承認していた自治会とむかし接触していた。ぼくはSと同じグループ系列にたどっていくと属していた。数年前地元にある伝統的な同窓会で同席になった医師夫婦がぼく達の読書会の趣味を聞いて、右か左かと質問したのはちょっと驚きだった。読書会などというと上の世代にはそういうイメージがあるのかと思われた。今は読書会はちょっとした知的ムーブメントで、ひと昔とは隔絶の感がある。(つづく)