開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

2019-01-01から1年間の記事一覧

66歳の年の瀬に

65歳を過ぎてから年齢をあまり気にしなくなった。別に歳をとったという自覚はない。私と同年輩の中学からの友人は、早くも終活という言葉を口にしていた。私といえば終わりは全然見えなくて、これからどんどん自分が変わっていく予感がする。その変化の具合…

3人の村上春樹論

平野芳信、市川真人、黒古一夫という文芸評論家の村上春樹論を最近続けて読んだ。一番批判的なのが黒古一夫で、「1Q84」は壮大な失敗作としている。それぞれ小説に何を求めるかによって村上春樹に対する評価が違う。色々新しい発見があったが、これまで自分…

レンタル何もしない人VS相席ラウンジ

昨日の午後は2時半ぐらいからずっとNHKのドキュメント72hoursを見ていた。偶然見出したら面白くてやめられなくなった。視聴者が選ぶ今年のベストテンの2位と3位が特に今の世相を浮かび上がらせる断面になっていた。東京の「レンタル何もしない人」と仙台「…

年賀状を出した

今日25日までに投函すれば元旦に着くということなので、年賀状を出した。いつも妻と共用なのでどうしても無難なデザインになる。今年は妻も一発OKを出してくれた。ハガキの下の方にいつもコメントを書くのだが、今年は一人一人相手に合わせて書いて、全部違…

グローバル資本主義VSポランニー

カール・ポランニーの評伝を読み進めていて続かなくなった。資本主義に変わる体制を作ることができるかという壮大な問題に対して、答えの一つを提供してくれることを期待して読もうとしたのだった。現代世界の最大問題だと思っているグローバル資本主義を理…

一人の人間ととことん付き合う

河合隼雄の肉声が聴ける。「私は河合隼雄という奴と、とことん付き合っている」という話のつかみからもう、これは身を乗り出して聴くしかないと思った。 www.youtube.com

モンキーズを聴いて

思い出すという記憶の活性化を通して、 自分の少年時代にタイムスリップする。 何とも言われぬ夢の中のような異次元が現れる。 そこではとても幸せでいられる。 結局私の幸せは少年の頃にいた世界と同じものなのだろうという気がする。 妻と今一緒に暮らして…

私淑する

私の私淑を、この二人の文学者とする。いずれも私の美大時代に出会って長い間関係が途絶えていた。今朝夢うつつの状態で、その名前が浮かんできた。栗田勇と大岡信。この二人から絶対肯定の世界を学び取りたい。私のライフワークの一方の「こころのふる里」…

昨日と今日の違い

定年退職して無職の生活が4年経過している。昨日は母を川北整形外科(母は膝に注射を二週間に一度打ってもらっている)に送り迎えするという用事があって、買い物にスーパーへよって実家まで帰るとほとんど半日になった。病院やスーパーの中には入らず車の中…

ひとり語りのような文体

昨日、斎藤美奈子の「日本の同時代小説」を読んで、「赤頭巾ちゃん気を付けて」と「ライ麦畑でつかまえて」の野崎孝一訳の文体が似ていて、一時期一部で流行ったということが書かれていた。60年代の雰囲気がそのひとり語りのような文体に表われていたのだろ…

老いは記憶を変える

Spotfyでどんな曲でも聴けるようになって、子供だった頃によく聴いていたロックやR&Bも聴ける。何と半世紀も前の曲が聴ける、ということはその頃の感じがひと時のことであるが蘇るのである。人生の時を超えて曲の中を彷徨うことができるという楽しみが加わっ…

それから

過去の自分のブログを読んで、この時の置かれた地点からどう進んだかを反省してみる。 hotepoque.hatenablog.com 青春の頃に帰ってサラリーマン時代にすっかり捨てていた「自己」を取り戻すことに飽きて、次に何をするかを見つける地点に来ていた。今の地点…

16歳から読む世界文学

定年後の自由な身分になって自分の人生を分析対象に選んで回想を繰り返していると、つくづく内面世界が掛け替えのない貴重なものに思えてくる。私は貧困の家庭には生まれなかったが、経済的に裕福な家庭とは根本的に違う人生訓の中で育てられた。つまり我慢…

第二のピークに向けて

私は今現在66歳で退職してから5年経っている。ブログはもう生活の一部になっている。これまでブログでの呼称は「ぼく」を使ってきた。その方がブログ内で自由でいられると感じてきたからだ。今日から呼称を「私」にする。主観から客観への移行だ。 私の求め…

定年後の研究テーマ

今朝まだ暗いうちの4時半に起き出した。放送大学の放送が始まる6時45分までにはかなり時間がある。今朝はこれにしようと「ヘミングウェイで学ぶ英文法」を持ってリビングに降りていく。この本は、表紙に柴田元幸の「文法をみっちり学ぶことと、小説を楽しむ…

小説は親しみを作り出している

今朝、というのは早起きを習慣にしているので7時ちょっと前になるのだが、いつものように早朝の読書をしていて気づいたことがある。ここしばらくは来月読書会の課題本に選んだ「苦海浄土」を読んでいる。それは突然頭に浮かんできたのだが、「苦海浄土」とど…

本を読む生活を振り返る

定年退職してからの本を読む生活を振り返ってみたいと思った。 hotepoque.hatenablog.com

働かない人は存在していけないか

今日ぼくとしてはこれまでに完全に噛み殺していた、自分を非難する世間の声を久しぶりに自分の内部に聞いてしまった。そう、健康でまだ働けるのに何でお前は何もせず家でぶらぶらしているのかという声だ。近所にNさんという元民生員の人がよくうちの前を歩い…

誰かのためのビジネスから、自分のための人生へ

以下はぼくがブログを書き始めた時の出発点について書いている。改めて読み直してみてほとんど忘れていたことに気づかされた。なので、もう一度再掲載して再出発しよう。 ぼくがサラリーマンだった頃、会社のために働くのではなく自分のために働けと言われた…

「失われた時を求めて」を読む理由

『優雅な生活が最高の復讐である』と題されたブログサイトからの引用。 tomkins.exblog.jp 私はパリの上流社会を描いて高踏的で享楽的と考えられがちなこの小説を読み解くことが、極限的な生活を送る捕虜たちの精神にとって死活的な意味をもったことに深い感…

想い出のシャコンヌ

生のクラシックコンサートに行けるような身分ではもちろんなかった。道端に置いてあった森永アイスクリームのベンチを勝手に拝借して、アイの所は「愛」に塗り替えて置いてあるような薄汚い美大生の下宿部屋で、バッハのシャコンヌが鳴り響いていたのは割と…

定年退職者の手記について

過去のぼくのブログにこのようなことが書かれている。今読み返してみて「すべての人間関係が希薄」だったという部分に少し注目してみたい気になった。 サラリーマンだった38年間は、他者の生き方をなぞって生きてきた。生きてきたとも言えないかもしれない、…

小説を小説だと思って読むな

小林秀雄のオーラの正体を鹿島茂が「ドーダの人、小林秀雄」で暴いてくれていても、ぼくは「小説を小説だと思って読むな」という小林秀雄の指摘には真実を突いたものと、信を置いている。小説を小説として読まない方法を発見したからあれだけの批評家になれ…

もう一人の自分を英語で作る

英語の勉強が好きであったりとか得意であったりしたわけではもちろんないが、英語が自分に必要と思える理由をしっかりさせたいと思う。なぜそう思うか?理由が納得できていないといくら英語を勉強しても、覚えると同時に忘れるからだ。 今日最終的に地元の公…

哲学のテーマ

以前ブログでぼくの哲学の課題は、「故郷化」して世界内存在として自立すると書いたが、そこには個人の帰属意識が重要な要素としてあることを示している。仲間から頼もしく思われ、メンバーの一人として欠かせない存在として認められている。それは現実に故…

カール・ポランニー「大転換」が届く

カール・ポランニーの「大転換」新訳が今日届く。定価4,800円の大部経済学本をAmazonで配送費込みで3,267円で買う。経済学の本にこれだけ投資をしたのは初めてである。なぜ思い切ってこの本を買って読もうとしたか、これまでの文学主体の読書から一転したか…

I am Twenty

「私は二十歳」1964年のソ連映画を初めて見る。自由な雰囲気がある。詩の朗読をコンサートのように観衆が聴いているシーンは、西側では考えられない。 www.youtube.com (youtubeは字幕設定で、日本語にできる)

兵頭正俊の発言と記録に賛同する

最近この人を知った。この人の言うことを聞くことで幾分かは(真実を知ることができて)慰められる。 www.youtube.com

十分な時間

定年退職後のもっとも大きなアドバンテージは、十分な時間である。最初のころ、有り余るほどの時間を長編小説を読むなどのサラリーマン時にはできないことに当てていた。最近思うのは、もっと濃厚な時間の使い方として集中して何かに「打ち込める」ことをし…

世界が動いている

これから書くことは全く個人的な世界の見方で、おそらく誤謬に満ち満ちていると思う。誰もこんなことは決して言わないだろうし、誰も信じないし無視されるに違いないことだ。それでもどうしても言いたくて吐き出してしまいたい欲求にかられる。それは、現代…