開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

第二の人生の二つの道

62歳で退職して第二の人生がスタートして5年近くになろうとしている。その間は基本的に模索期間だった。最初は引きこもりにならず、社会とのつながりを築くために地元の読書会サークルに参加したり、週一度のテニス教室に通いながら仲間とテニスを楽しむとい…

三島由紀夫は嫌いだ

「金閣寺」はようやく半分近くになった。主人公の溝口の大谷大学で出会う柏木という男が気持ち悪い。内飜足とされるが、溝口に向かって自身の童貞捨ての経験を披露するくだりがある。不具と美女のおぞましい関係に読者を導こうとする作者にぼくは馴染めない…

並んで歩くだけの閉ざされた時間

あの頃を思い出すと、よく金沢の路地のあちこちを並んで歩いていたことがあった。いつもどうしてか曇天の日が多かった。雨の日もあってその時は二人で傘の中にいた。何を話したかは思い出せない。その少女の友達がぼくの知っている男のことが気がかりで、適…

I was converted into your oriented.

これまでブログに書いてきたことが、どうやら間違っている気がしてきている。掲載する以上、読み手に向けて書くのは最低限のマナーではないのかと思ってきた。自分の心に生じたvoiceを出来るだけ正直に書いてみようというのが、これまでのぼくのブログ信条だ…

ストレスから逃れる小説

突き詰めると自分のことしか分からないし、言及すべきではない。自分の守備範囲でしか何事もいうべきではないと思っている。それを踏まえた上で、小説の必要性を言い当ててみたい。小説を読むことでぼくは解放された気分でいられる。所詮絵空事だという了解…

長編小説は捨てがたい

小説を読む楽しみを捨てたら何が始まるだろう? 定年後4年余りずっと長編小説を読んできた。「ジャン・クリストフ」の再読、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」、サルトルの「自由への道」、野間宏の「青年の環」、加賀乙彦の「永遠の都」、ジェイムス…

思想とはぼくにとって何か

定年退職してから一切働かないことにしているのは、働かなくてもなんとか衣食住には困らなくなったからであるが、ぼくの周りにはぼくより所得が上の友人がいて、彼らは働いている。彼らは生活のために働いているのではなく、暇が耐えられなくていわば精神的…

小説を読んで何が身につくか?

小説を読むことのメリットとして、考える力がつくことを挙げた投稿に続いて、もっと実用的なメリットはないのか考えてみたい。というのも昨日小説を読むのが馬鹿らしくなったのは、それが村上龍の小説だからというわけだけではなさそうな気がしたからである…

小説の主人公に自分を見る

昨日、小説を読むのが馬鹿らしくなったと投稿したが、振り返ってみると村上龍の小説に出てくる登場人物と自分に共通するところがなかったことが原因だったと思える。今日、三島由紀夫の「金閣寺」を読んでいて主人公の溝口少年と共通するところがあって、こ…

小説を読む馬鹿らしさ

ぼくは長編小説が好きでこれまでよく読んできた方だと自分では思っているが、今日「ふたりの村上」のなかの村上龍への批評文を読んでいて、急に馬鹿らしくなって読むのをやめた。読むのをやめてみると、これまで小説を読んできたこと自体が突然馬鹿らしく思…

老年期から「ほんとう」が始まる

以前のぼくのブログで「考えさせられたフレーズ」として抜き出していた引用を今考えるの3回目は、老年期に関してだ。 「老年期には、メリットとデメリットがある。そのデメリットは明確であり、、、だが、そのメリットは数多く存在する。なぜなら、過去がそ…

吉本隆明の村上春樹批評

「ふたりの村上」書中の「国境の南、太陽の西」批評を読む。流石にその読み取りに舌を巻いた。これまで何人もの文芸評論家の村上春樹論を読んできたが、作家である村上春樹を凌駕していなかった。吉本隆明だけが、作家が読者に甘えることで逆に創作を読者に…

愛されること

過去のブログでの引用から2回目は、ゲーテの言葉だ。この言葉に触れた時、あの人を彼女とし、自分をぼくだと考えた。ぼくが男だからそうなるのだが、女性がこの言葉に触れる時は、あの人が彼氏で自分はその女性になるだろう。英文ではどちらでも取れるよう…

立ち止まって自分で考える

以前のぼくのブログで「考えさせられたフレーズ」として、その頃本を読んで気になった箇所を抜き出してメモするつもりで掲載していた。その時はなぜ考えさせられたのか、どのように考えさせられそれを自分なりにどう考えたのかが書かれていなかった。今、書…

見捨てられていた25歳

地元の中小企業に就職して3年目。大学時代の誰にも連絡を取らず、ひっそりと一人暮らしを始めたアパートと会社を往復する毎日が続いていた。大学で出会った「思想」とも決別して心は空っぽだった。段々と孤立感を噛みしめることが多くなり、サラリーマンにな…

2番目に買ったシングルレコード

中学に入って小遣いでポータブル・レコードプレーヤーを買う。早速レコードを買うことになる。1枚目がモンキーズの「恋の終列車」、2枚目がミッチーライダーとデトロイトホィールズの「悪魔とモリー」、3枚目がビーチボーイズの「グッド・バイブレーショ…

英語で感情を伝える

I'm glad we've come. We did right in coming out hear. Weren't we right in making up our minds to drive out here? 上記はいずれもドライブでここに来てよかったということの表現なのだが、次第に心がこもった感情表現になっている。単によかっただけを…

Reminiscence

何でも英語にしてみると無味乾燥な硬い言葉が生まれ変わるような気がする。Reminiscenceとは回想力のことだ。定年退職後の生き方の重要な「仕事」として回想があると思っている。時間だけはたっぷりあるのだから、自分の人生のあらゆる局面を回想することは…

Let's make your dream.

If you haven't your own dreams, you should make your dream by yourself. What kind of dream do you should have? Let's find it from your mind. Listen to the voice in your little heart.

Can you talk about your dream?

大学を卒業して兎にも角にも地元の小さな企業に就職して落ち着いてきた頃、高校の時に付き合っていたガールフレンドと住宅街の喫茶店で話すことがあった。彼女は金沢の文化センターで講師の口を見つけて、デザインを教えているということだった。その時もら…

林俊介さん

かつてはノートに何かを書きつけることでかろうじて生きている証を得ていて、それがブログという仮想ネットワークに場が移って、自分との対峙に第三者が観客のように眺めるような空間に、いま同じように何かを書きつけようとしている。微妙に生きている証が…

純文学は終わったか?

純文学が終わったということが言われているらしいが、あまりそういう気がしない。誰からも見向きもされないとしても別にぼくは困らないし、純文学やっている人は勝手にやっているのだから何?という感じだと思う。仮に今よりどんどん読者がいなくなったり、…

安部龍太郎著「等伯」を読む

今、安部龍太郎の「等伯」を読んでいる。昨日は「上」を読み終えて今日は「下」を半分ぐらいまで読んだ。ぼくは時代物の小説は食わず嫌いでほとんど読んでいない。「蝉しぐれ」と「龍馬がゆく」ぐらいだ。自分の生き方の指針になりそうなものを小説に求める…

地方のサラリーマン生活の場合

ぼくの人生はこんなんだったと、いつになったら言えるのだろう? サラリーマン人生で大半は終わったけれど、自分の人生がサラリーマンだった時の生活がそのままそうだったとはとても思えない。今から思えば妻と一緒に生活を維持する闘いをしていたような気が…

道を見つけるのに必死になる

誰も歩いたことのない道を歩く覚悟を持たなければ、自分が生きたことにはならない。今、英語を学んでいる時必死さがある。だから続けていいと納得させている。英語の先生の本(國弘正雄や長崎玄弥や市橋敬三など)を読む時、必死に道を求めるという精神が伝…

本のない生活

ここ数日でぼくの中に微かな変化が起きている感じがする。夢の芽生え始めているような甘味な雰囲気がどこかに感じられる。冬の辛さから解き放たれる時期を人生で初めて迎えようとする予感がする。もう我慢することがなくなって、物理的な快適さを味わうのに…

同じ本を読んでる人

どういう経緯でその人のブログに出会ったかはもうたどれないが、その人はぼくと同じ読書傾向があるようだった。彼(彼女かもしれない)のブログに、以下の文章があって目に止まった。 村上春樹の「ノルウェイの森」の主人公のセリフに「『資本論』を正確に読…