2021-01-01から1年間の記事一覧
最初は地元野々市市の文化講演会に上野千鶴子氏が呼ばれたことから、この機会に少なくとも著書を読んでどんな人かを自分なりに掴んでみようとしたことから始まる。今年の3月に唯川恵さんのトークがあり、来年がその文化講演会の2回目なのだが、当初の水橋文…
吉本ばなながお父さんの吉本隆明の言葉でよく覚えているのは、「多くの人の中にいる時、自分が一番下にいると思いなさい」という言葉だとどこかで言っていた。ぼくはそれは戦後最大の思想家だから言えることと思った。思想とは自分に全能感を与えて、その根…
ぼくがどんな風に小説を読んできたかを1冊1テーマで表してみました。 フランツ・カフカ「変身」 / 家族の中で毒虫に変身することの意味 ヘルマン・ヘッセ「デミアン」 / デミアンの正体は何か サン・テグジュペリ「星の王子さま」 / 子供の死をどう救い出…
読書会を定年後やってきてもう七年経ったことになる。最初は高校の時の同級生と二人でやり、三年ほど前から地域の公民館の読書会に参加して今は会長となり、読書会の主催者の立場になっている。読書会はネットで散見する記事によると、静かなブームになって…
正確には思い出せないが、河合隼雄が現代の子供たちの不幸な環境として、何でもすぐに手に入る便利な生活を挙げていた。すぐに手に入ってしまったら何事もつまらないだろう。そのつまらなさは倦怠感を生み、冒険のような最高の行動経験から隔てられてしまう…
今68歳で年金暮らしの自分がいて、確かに生きていて生活には困っていないから精神的には平穏である。世間から見れば定年後を悠々自適に過ごしていると思われるのではないかと思う。正直いうとコロナもそんなに不安ではない。やることはやるだけで、罹らない…
時々思うのだが、このブログやYoutubeやテレビなどの外部情報を一切絶って、本を読んだり勉強したりに集中できたらいいのにと。一見簡単そうなことができないと、意志が弱いと思って意気消沈したりする。だらだらがいけない。何をするか自分で全て決めていい…
森田真生「僕たちはどう生きるか」を読んで、舩橋真俊の偉業を知る。 2015年にアフリカのサハラ砂漠の南に位置するブルキナファソに自ら出かけ、現地の人たちとともに、砂漠化した土地の植生を協生農法によって1年で蘇らせている。こんな若者がいたなんて、…
むかし、企業の間でコーポレート・アイデンティティというデザイン絡みの経営手法が流行ったことがある。国鉄や電電公社、専売公社などが民営化された時のロゴマークから新社名や経営理念までをトータルにリ・デザインするものだ。CIと略され、それぞれCI後J…
ぼくは高校一年の時に継続して本を読み始めた。その時の感じは、今思い出そうとすると夢のような非現実感がある。睡眠時に見る夢とは違って、どちらかというと客観的だ。客観的という言葉は夢の場合に使わないと思うが、小説は作家が言葉で組み立てた世界な…
人生には自分用の道があるような気がする。これは68歳の自分が過去を振り返ってみて感じることで、正しいかどうかは分からない。自分の能力以上のことを求めたり、自分を変えようともがいていたりする時に、道に迷うことがある。新しい道が目の前に見えた時…
読書会では同じような年代が集まりやすい。若者が主催している所には若者が集まり、年配の方だとやはり高齢者ばかりになっている。そこに地域という要素を加えて、同じ地域の公共的な繋がりに注目してみた。自治体の文化振興に関わる部署に読書会が所属する…
カフカ「変身」が我が読書会の今月の課題本に取り上げられた。ぼくとしては読むのは2回目になる。この世界的な名作はすでにおそらく研究し尽くされていると思われる。だからグレゴール・ザムザはどうして毒虫に変身させられたのか、などの謎は様々な解釈が…
定年後の人生はよく第二の人生といわれるが、第二の人生じゃなく第二の青春だと気づいた。もう一度人生を始めるのに青春から始められるからだ。肉体は生物学的に老人に近づいていくのだろうが、心は若く保てるし今以上に若返ることもできる。実際時間の使い…
世界に飛び出すまでのモラトリアムの時期があった どんな人にも孤独が初々しい頃があるのだろうか もしこれを読んで呼応してくれる人がいるだろうか 憧れに身を焦がすほどの疾風が過ぎ去ったころ 木枯らしが落とした樹の葉たちの路を 上は萌黄色のセーターを…
金沢工大の I 先生に講演依頼することになった。今年の柳澤金沢学院大学名誉教授に引き続いて、来年の3月に行われる公開文学講演会での市民向けの講演になる。I 先生の専門は大学のホームページでは国文学と教育学となっていた。以前に源氏物語で講演された…
今日いつものように午前中パソコンに向かっていると、お腹の具合が徐々に悪くなりだして久しぶりに下痢になってしまった。多分部屋が寒くて下半身を冷やしてしまったからだろう。下痢は英語でdiarrheaという。ぼくには耳慣れない単語だった。ここに書いて覚…
ほんの微かな力の芽生えを体内に感じている。こんなことはもうこの歳になってからは感じたことがない性質のものだ。それを突き止めてみたくて書き出したのだが、何かを書きたいという意欲も「その中」にある。書き出すと止まらない感じも少し感じる。心に移…
becoming familiar with 〜は、〜に精通することとgoogle翻訳に出てくる。becoming friendlier with 〜だと、〜に親しくなると出てくる。friendlierに「分かりやすい」という訳語もあった。友達のようにではまだ親しさが足りず、家族のようになって何でも知…
今日久しぶりにテニスに来てた仲間がいて、最近何をしていたかの話になって、ぼくは能登町の真脇遺跡に行ってきた話をした。縄文時代の遺跡でそのほかの遺跡に見られない貴重なものが出土して博物館に収められていた。殆どが1万年前のものらしい。たかだか…
It is easier to sympathize with sorrow than to sympathize with joy. 最近また英語学習に目覚めてきて、たまたまこのphrasesに目が止まった。悲しみに共感するのは、喜びに共感するより容易いというのだ。確かにそうは言えると思う。なぜなら、悲しみに共…
今日このタイトルで書こうとすることは、ぼくが集中力を持って取り組める条件についてだ。この条件を外すと途端に力が抜け、ぼんやりとして一人取り残されたような虚しい気持ちになる。自信に満ちている時と、気弱になっている時の違いは何なのかと探ってい…
今日は午前中に柳沢先生の万葉集講義を受けに行き、午後からは母を川北整形外科に連れて行って、その後買い物にスーパーに寄って実家まで送り届けた。ここの所火曜日は毎週その繰り返しになっている。夕方から夜までは自由な時間だ。自分の時間になると閉じ…
瀬戸内寂聴は、人生相談で自分を好きになることを勧めている。そう言えば、ぼくも自分が好きな方だと思うが、サラリーマンだった時は自分が好きになれなかった。というか自分が無かった。自分を肩書きや会社の中の役割として捉えていた。特に自信がない時の…
男が泣くのを見っともないと感じる文化は室町時代からだという。平安時代は男が泣くのは好ましいとされた。光源氏なんかはいつも泣いている、という印象だ。ぼくはこの曲を聴くとその可愛らしさに涙ぐんでしまう。多分曲のせいだと思う。 www.youtube.com
9月15日のブログで、ドリアン助川氏の絶叫するような「雨ニモマケズ」を紹介したが、英訳の出ている記事を見つけたので、英語を体に馴染ませようと思う。暗記のために掲載した。(「four go」は「4合」のこと。「木偶の坊」は a blockheadと訳されている。)…
内気な性格の人を英語で introvert という。この前英語で性格診断するサイトを見つけ、試しにやってみると以下のような診断結果だった。ずっと自分を内向的な性格と思っていたが、家族や友人などの仲間内では外向的という結果で、ちょっと意外だった。(当た…
I was shy and timid, so my love was always unexploded. 今から思うと、ぼくは恋愛感情はあったが恋愛体験はできなかった。恋愛小説のいくつかを読んで、その事実を認めざるを得ない。昔はぼくも恋はしていたと思っていた。好きでいてもたってもいられなく…
今では社会から用のない年金生活者の身になっているから、社会的な倫理観から自分を見ることはやめて、平安の王侯貴族のように意識では遊んでみようと源氏物語を今日で須磨の巻まで読んだ。源氏物語は読むまでと読んだ後の印象が、これまでのぼくの読書体験…
佐藤優と松岡正剛の共著、中公新書「読む力」によると、現代人は急速に読む力が衰えてきているという。おそらくそれにはインターネットの普及が関わっていると思える。とにかくググッて見ればたちどころに答えは見つかるという便利さを手に入れてしまったの…