開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

上野千鶴子講演会

最初は地元野々市市の文化講演会に上野千鶴子氏が呼ばれたことから、この機会に少なくとも著書を読んでどんな人かを自分なりに掴んでみようとしたことから始まる。今年の3月に唯川恵さんのトークがあり、来年がその文化講演会の2回目なのだが、当初の水橋文…

吉本隆明のことば

吉本ばなながお父さんの吉本隆明の言葉でよく覚えているのは、「多くの人の中にいる時、自分が一番下にいると思いなさい」という言葉だとどこかで言っていた。ぼくはそれは戦後最大の思想家だから言えることと思った。思想とは自分に全能感を与えて、その根…

one book one issue

ぼくがどんな風に小説を読んできたかを1冊1テーマで表してみました。 フランツ・カフカ「変身」 / 家族の中で毒虫に変身することの意味 ヘルマン・ヘッセ「デミアン」 / デミアンの正体は何か サン・テグジュペリ「星の王子さま」 / 子供の死をどう救い出…

本当を求めるか、自分を生きるか

読書会を定年後やってきてもう七年経ったことになる。最初は高校の時の同級生と二人でやり、三年ほど前から地域の公民館の読書会に参加して今は会長となり、読書会の主催者の立場になっている。読書会はネットで散見する記事によると、静かなブームになって…

現代の豊かさとは

正確には思い出せないが、河合隼雄が現代の子供たちの不幸な環境として、何でもすぐに手に入る便利な生活を挙げていた。すぐに手に入ってしまったら何事もつまらないだろう。そのつまらなさは倦怠感を生み、冒険のような最高の行動経験から隔てられてしまう…

ぼくの高二病

今68歳で年金暮らしの自分がいて、確かに生きていて生活には困っていないから精神的には平穏である。世間から見れば定年後を悠々自適に過ごしていると思われるのではないかと思う。正直いうとコロナもそんなに不安ではない。やることはやるだけで、罹らない…

文化的資本をめぐって

時々思うのだが、このブログやYoutubeやテレビなどの外部情報を一切絶って、本を読んだり勉強したりに集中できたらいいのにと。一見簡単そうなことができないと、意志が弱いと思って意気消沈したりする。だらだらがいけない。何をするか自分で全て決めていい…

エコ時代の英雄、舩橋真俊を知る

森田真生「僕たちはどう生きるか」を読んで、舩橋真俊の偉業を知る。 2015年にアフリカのサハラ砂漠の南に位置するブルキナファソに自ら出かけ、現地の人たちとともに、砂漠化した土地の植生を協生農法によって1年で蘇らせている。こんな若者がいたなんて、…

数年後の自分

むかし、企業の間でコーポレート・アイデンティティというデザイン絡みの経営手法が流行ったことがある。国鉄や電電公社、専売公社などが民営化された時のロゴマークから新社名や経営理念までをトータルにリ・デザインするものだ。CIと略され、それぞれCI後J…

高校生が文学に出会うとどうなるか

ぼくは高校一年の時に継続して本を読み始めた。その時の感じは、今思い出そうとすると夢のような非現実感がある。睡眠時に見る夢とは違って、どちらかというと客観的だ。客観的という言葉は夢の場合に使わないと思うが、小説は作家が言葉で組み立てた世界な…

自分の歩く道

人生には自分用の道があるような気がする。これは68歳の自分が過去を振り返ってみて感じることで、正しいかどうかは分からない。自分の能力以上のことを求めたり、自分を変えようともがいていたりする時に、道に迷うことがある。新しい道が目の前に見えた時…

地域読書会の構造

読書会では同じような年代が集まりやすい。若者が主催している所には若者が集まり、年配の方だとやはり高齢者ばかりになっている。そこに地域という要素を加えて、同じ地域の公共的な繋がりに注目してみた。自治体の文化振興に関わる部署に読書会が所属する…

「変身」は究極の引きこもり小説

カフカ「変身」が我が読書会の今月の課題本に取り上げられた。ぼくとしては読むのは2回目になる。この世界的な名作はすでにおそらく研究し尽くされていると思われる。だからグレゴール・ザムザはどうして毒虫に変身させられたのか、などの謎は様々な解釈が…

第二の人生じゃなく、第二の青春

定年後の人生はよく第二の人生といわれるが、第二の人生じゃなく第二の青春だと気づいた。もう一度人生を始めるのに青春から始められるからだ。肉体は生物学的に老人に近づいていくのだろうが、心は若く保てるし今以上に若返ることもできる。実際時間の使い…

未成年の詩

世界に飛び出すまでのモラトリアムの時期があった どんな人にも孤独が初々しい頃があるのだろうか もしこれを読んで呼応してくれる人がいるだろうか 憧れに身を焦がすほどの疾風が過ぎ去ったころ 木枯らしが落とした樹の葉たちの路を 上は萌黄色のセーターを…

コロナとどう向き合うべきか

金沢工大の I 先生に講演依頼することになった。今年の柳澤金沢学院大学名誉教授に引き続いて、来年の3月に行われる公開文学講演会での市民向けの講演になる。I 先生の専門は大学のホームページでは国文学と教育学となっていた。以前に源氏物語で講演された…