開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

暑い夏に思い出す

思い出の詰まった白い雲が湧きあがる 青い空に出現してくる夏が一人のぼくを元気付けてくれていた 今年の夏休みは特別に君と知り合って二人の時を持てるのが不思議だった 高校の近くの冨樫プールに誘ったら来てくれた 一緒に泳いだ記憶はないからただ黙って…

若き柄谷行人の動画

1986年当時の若き柄谷行人の動画を発見。ここでのデカルト解説は「トランス・クリティーク」にもそのまま出てくる。ということは、この当時から一貫した方法が「トランス・クリティーク」なのだ。そしてぼくには、デカルトの精神と機械の話は、「物質と精神…

戦争と文学

自分が決めてその通りできることは、できるだけ厳密に考えて実行しようと思う。どんな本を読むかは、決められることだ。江藤淳という批評家は、フォニーという批評基準を持っていて、自分もその基準に従いたい。作者はその作品を書くのに、内的必然性を持っ…

自分はエゴイストだった

おそらくぼくのブログの読者は、ぼくを自分にしか関心のないエゴイストだと、とうに気づいていることと思う。恥ずかしながら自分だけは都合のいいように自分を考えている。自分の死後に日本の人々の暮らしがどうなっていようと関心がなかったことに、今日初…

文学を捨てるべきか?

今「トランス・クリティーク」を読んでいるが、哲学界にリアルな読書経験がないために、なかなか理解がスラスラ進まない。この本の著者の柄谷行人はすでに文学は捨てたと公言しているらしい。文芸批評は捨てたということなのだろうが、哲学に関してこの本を…

夏の、1枚の形而上絵画

今日は真夏並みの暑さになった。最高気温32度になった。妻が車の助手席で、だんだん季節が早まっている気がすると言ったのに同意する。まだ6月なのに、梅雨も明けていないのに真夏になっている。実を言うとぼくは暑いのは平気で、身体に力がみなぎってくる。…

子供の心を持った大人

もうどこでその言説を知ったかは忘れてしまったし、正確にどう言われたかも記憶が怪しいのだが、大人と子供の世界の峻別が人間の自然な成長を妨げている、というような内容で、妙にぼくの心に響いたのだった。特に子供の心を持った大人を肯定することがもっ…

バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ

今日午後からずっと、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータを聴いていた。この曲は大学1年の時に、先輩が数人で共同下宿している金沢の旧屋敷をよく尋ねていた頃に、一人の先輩の部屋から流れていた曲だった。その共同下宿舎は通称「ピカ荘」と呼ばれ…

母のこと

先日からいつもより忙しかった。今の季節柄でいうと、卯辰山(兼六園から見て向い側にあるこんもりとした、ほとんど台地のような山)の中腹にある菖蒲園に行った。今の時期、「日展」が東京から巡回して開催されるのを友人からチケットをもらって、妻と久し…

Live this moment

定年後の毎日は朝から晩まで妻と二人の時間が流れている。まるっきり一緒にいるわけではないが、食事はいつも二人で向き合ってする。当然であるが、部屋で一人で今のようにパソコンに向き合っている時間もある。時間と瞬間は違う。瞬間をかき集めても時間に…

ワルキューレの騎行(戦争音楽)

半世紀前、アメリカは今のロシアで、ベトナムは今のウクライナだった。 ここから分かるのは、戦争の実体は50年前と何も変わらないことだ。ということは歴史は何も進歩しない、ということだ。

柄谷行人著「トランス・クリティーク」を読み始める

まだ読書三昧の境地には至っていないが、いま日がな一日本を読んで過ごしたいと思わせる本は、今年の目標に掲げた学術書「トランス・クリティーク」である。最初馴染めず、第2章の「数学の基礎」のところで挫折し、最初の序文に戻って今日ようやく第1章「…

1983年の私という現象

ほんとは誰とも似ていなかった それを突き詰めていくと一人ぼっちになるから 少しだけ自分に嘘をついて みんながかっこいいと思う詩人や思想家を真似てみようとした 世界が広がるような気がしたが決してほんとではなかった どこか透明で果てがなかった ちょ…

ウクライナの不幸

「プーチン大統領になり代わって“ロシア脳”で考えてみると、ゼレンスキー氏は決して英雄ではない。むしろ、彼こそが今回の紛争の種を蒔いた張本人だと言っていい。」___________大前研一 ようやく正面切って「ロシア寄り」の言論が出てくるように…

「ペールギュント」読書会

古今東西、縦横無尽という言葉がある。本のある生活をしている人の心の中はそれほど広く自由だと思う。時代や国に縛られず、ある時間と空間に固定されることがない精神で毎日を過ごしている人の多くには読書習慣がある。たとえわずかな時間でも、本の世界に…