定年後人生
テニススクールから帰ってきて、 まだ身体に運動した後の余韻を残して、 ぼくにただいまと言った君は 少女に帰っていて、無邪気だった。 ぼくは目で君を抱きしめようと思った。 肌は滑らかで引き締まって丸かった。 そんなことは何年振りだろう。 いや初めて…
定年後小説として、京極夏彦「オジいさん」を読む。主人公は72歳の独身男で、20世帯が入居する小さなアパートに住んでいる。自分が「オジいサン」と幾分幼いイントネーションで呼ばれたことが頭に残り、その発生源を思い出そうと寝床で記憶を巡らすところか…
今朝2時半ごろトイレに起きて、水をコップに半分ほど飲んでから眠れなくなり睡眠は十分ではない。眠れなくなったのは、これからのことを考え出したからだ。これまでのんびりだった定年後が忙しくなり出したのは、何だか今頃になって上昇志向が芽生えてきてい…
61歳で完全に38年間勤めた会社を退職し、無職のままを通している。環境の変化で当初、帯状疱疹を発症するほど精神的に不安定な時期をしばらく過ごしたが、このブログを通じて書くことのトレーニングを積むことで安定してきている。振り返ってみると、定年後…
今年の目標の一つ、学術書を読むで、今読んでいる柄谷行人の「世界史の構造」に4冊を新たに追加した理由について記しておきたい。それは、2018年1月5日のぼくのブログに戻ることになる。その時に読みたいと掲げていた本が、追加した4冊である。トロツキー…
もうどこでその言説を知ったかは忘れてしまったし、正確にどう言われたかも記憶が怪しいのだが、大人と子供の世界の峻別が人間の自然な成長を妨げている、というような内容で、妙にぼくの心に響いたのだった。特に子供の心を持った大人を肯定することがもっ…
白々と夜が明けて来る、薄暗い部屋の中で一人で過ごす時間が最高です。一人の時間に満たされて、お湯を沸かしてコーヒーを淹れるだけのルーティンがウキウキします。新聞を読んだりテレビをつけたりなんかしたらぶち壊しです。完全に外界から遮断されるから…
人からどう思われるかを無意識に気にしていたようだ。自分が新しくある集団に加わる時に、先輩たちの無意識的な排除にあわないように、郷に入っては郷に従っていた。自分を先に立てず、先輩の後にいつも控えていた。守破離の守段階にいた。そうして遠慮ばか…
今の世の中で、将来明るいと感じている人はどれくらいいるだろうか。将来がとても明るいとは言えず、何となく生きづらさを抱えている人の方が多いだろうか?このはてなブログで書いている人でいうと、将来明るいと感じている人とそうでない人の割合は、2対…
令和2年と令和3年度の文学散歩はコロナで中止していましたが、今年度は感染防止対策の規制も緩和されたことから実施することにし、メンバー13名の参加で5月11日行われました。行き先は令和2年度に企画されていた、能登音楽堂と七尾美術館を見学するプラン…
会社を定年になってやめてすぐの頃と今との違いは、単純に人と接する機会が増えたことにある。人と接することで応答する機会や場が持てたことが今の自分を元気にしていると思う。今日は、先日読書会で文学散歩と称して、能登七尾方面のバス旅行をした時の写…
自分を変えることができるのは、他人の力や環境の制約や影響はあるものの、実行するのは自分である。実行するのは自分しかいない。当たり前のことだけど、意外と気づけなかった気がする。サラリーマンの時は自分を消して、顧客のためとか、家族のためが優先…
自己改造をするには、自分を動かすわけだけれど、実は自分一人ではできない。どのように改造すればいいかヒントを与えてくれる「師」が必要だ。その「師」は自分で見つけなければならないし、「師」になって下さいとお願いすることは普通できない。こちらが…
自分の心の奥底には深層心理が働く層があって、そこでは人間の原初的な、幾層にも人類の遺伝子が積み重なっていて、個人という単位でありながら類的存在でもあるような客観性が眠っている、、、というのは実証することはできないので単なる仮定にとどまるの…
自分の今の気分とか精神状態を捉えようと書いてみる。そういうことをこれまで何度もやってきて、今の空虚を形あるものにしようとしてきた。予定していたことが実は勘違いで無いことに直前に気づいた。ぽっかり空いた時間が空虚を感じさせたのだ。これでも昔…
昨年から地元公民館読書会の協議会会長になって、明日令和4年度の総会がある。野々市市から文化振興助成金40,000円をもらっている以上、会則を作って適正に運営されているか収支決算の報告もしなくてはならない。今年度は講師の先生が源泉徴収してほしいと…
「春は体から毒素を出すために、フキノトウを食べて。近くの道の脇にたくさんある。朝一番に採ると良い」____ぼくと同郷、同年の橋田由美子さんから。 www.chunichi.co.jp
主に経済的事情と母親の面倒を見る必要から現在の生活環境を大きく変えることはほとんど不可能なので、現状のままこの地に住まい続けているのだが、少々無聊をかこつのが抑えがたくなる。今、夕方で一日が終わろうとする時間帯ということもあるのかもしれな…
日記ではないのだから、特に今日あったことを書く必要はないはずなのだが、実際は定年後の生活の中で友人を失いそうな出来事は書くべきことのように思える。40年近く続いた家族ぐるみでのテニスづき合いが終わりそうなのである。サラリーマン時代はお互いに…
ぼくは3年間このブログを書き続けてきた。投稿数886になる。定年退職してからしばらく職探しもしたが、妻も定年退職してからは年金だけが収入の無職の生活になった。苦しかったのは退職して1年のあいだだった。居場所がなく、孤立感に付きまとわれていた。就…
ずっと閉じこもっていたいという欲求がつのってくる。穴があったら入りたいというのはきっと本能の一部だろう。本を読んでもそれで何かが身につくのかと考えたら、もっと意味のあることをしたいとも思う。小説は読んでいる最中は閉じこもっていられる。今は…
いきなり突飛なことを言うかもしれないが、青春時がどの時代だったかでその人の価値観が決まってしまう気がぼくはしている。ぼくがサラリーマンの時に年下の社員と全く話が合わないと感じたのは、「世界」が彼らにはないと気づいた時だった。「世界」とは「…
この前ちょっとテレビで、フランスの大統領選挙で中道右派の女性候補のことが報道されていた。妻の方がその報道を最初の方から見ていて、フランスでは今のウクライナ情勢に対して必ずしもアメリカ側に立っていない、ウクライナとロシアの問題で当事者で解決…
コートの後ろの方、フェンスから2メートルくらいにまだ雪が残っていて、風も寒い午前中に外でテニスをした。こんな日にテニスをするのはよっぽどテニスにとりつかれた人たちに違いない。4面あるわが町野々市のコートは全面うまっていた。私たちのメンバー…
どうやら38年間地方の中小企業で働いていたサラリーマンだったことで、ぼくの残りの人生はおおかた決まってしまっていると思える。丸山真男の「現代政治の思想と行動」は最初の「超国家主義の論理と心理」を読んだだけで挫折してしまった。学術書の硬い論文…
定年退職後の毎日を読書とテニスと母親のケアで過ごしているが、空いた時間は自分の過去の回想に当てているというか、自然にそうなっている。今日思うのは、就職することの人生の総合評価についてになる。就職する前の学生時代と、退職後の年金生活は、就職…
パソコンにmp3などの音源データが溜まってくると、メモリーを食うのかブラウザの表示が遅くなったり、ブログを書いている時文字変換が遅くなったりしたので、思い切ってデータを削除した。3GBぐらい減って調子良くなった。ぼくの様々のこだわりも捨ててスッ…
38年間のサラリーマン時代を強制収容所時代だったとこのブログに書いてきたが、そうでも思わないと救われない気がしたからだ。そのぼくの人生の半分以上を占める屈辱の昏い時代をこれまで無きものにしたいと直面するのを避けてきた。しかしいくら記憶を消そ…
自分史を書いてみようとしていた時期があった。今ここにいる自分はもう68年間も生きている。この自分とは長い付き合いだ。世間知らずの、自尊心が強くていつも一人でいる、目立とうとしないがいつの間にか周りから浮き上がってしまう、楽天家にして夢想家、…
中二病ならぬ高二病について書いたことがあったが、今度は一挙に高齢化して永遠病とでも名付ける、心の状態について書いてみたい。中二病が持っている危うい心の閉鎖状況がぼくの場合、高校生の時や定年退職後の初期高齢者の今にもあるのではないかと思える…