1976年の冬、ジョニ・ミッチェルのこの曲を聴いていた
外は吹雪いていたが、部屋は暖かで静かにこの曲が流れていた
この時までにぼくの周りで多くのものが通り過ぎて行った
一番大事なものも捨ててきたかもしれないのでこころが寒かった
ジョニ・ミッチェルの寂しい歌声に、
かろうじて気力を乗せていた
1976年に本格的に挫折し、追い詰められていた
友達や仲間はそれぞれの場所に帰って行った
誰もいなくなった場所に一人で残り続けたのが
死ぬほど寒くなっていた原因だったことに
ずいぶん後になってから気づいた
外はずっと吹雪いていた
モノクロの世界にジョニ・ミッチェルがよく響いた
今はこの過去に土台を作ることができている
底と言ってしまえば間違いなく自分と一致できて、
一切の過去が重層的に蘇る
間違いの旅ではあったけれど、
その分崩れにくい保塁ができたと思っている