開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

自分史3

高校3年の同級生 Aとは東京と金沢で進路が分かれて離れ離れとなったわけだが、金沢で最後のきちんとした別れ方をしなかったこともあってしばらくして手紙をもらうことになる。その日、自宅から歩いて通える美大から夕方帰宅する時に、なんとなく手紙が来る予感がしていて、自宅玄関横の郵便受けに果たして予感通りに手紙があったのをやはり来たと感じたのだった。手紙には東京での住所と電話番号が記されていた。その他の内容については忘れてしまった。そしてぼくがどんな返事を書いたかも忘れてしまっている。ただ、それまでの彼女の自分の態度には幼稚な部分があったのを恥じて、今は成長して対等にぼくと接することができると伝えて来たというような、漠然としたかすかな感じがある。今から思うと高校の時にぼくから見くびられたように感じて、それが許せなかっただろうと思う。ぼくのせいもあって受験勉強が思うようにできなかったのを、東京の塾に通って挽回するのに張り切っていたかもしれない。あるいは高校の時は本当の自分を見せる余裕がなかったけれど、もう本来の自分に戻っているからそういう自分を見てとアピールしてきたのかもしれなかった。それに対して自分の受験に差し障るから付き合いをやめるようにして遠ざかった自分に負い目を感じていたぼくの方は、相談することなく一方的に距離を置いていたことを謝った気がする。(だんだんその当時のことが記憶に蘇ってきたかもしれない、、、)

ぼくは学生運動に関わりだした頃、東京で集会があると連絡を取って再会することになる。初めて東京で会った時は、ぼくが東京に不慣れなこともあって彼女の方が話を先に進めることが多かった。東大赤門の本郷キャンパスの学食を食べに行って、ぼくが東大生でなくても大丈夫なのかと訊いたら、全然大丈夫よと東京人になったように答えていた。

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