開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

妻について

妻について書くことにする。それは自分や友人について書いているのだから、妻についても書かないのはフェアじゃないと感じるからだ。しかし、、、

先ほどから妻のことをどう書こうかと思いあぐねている。これまで日記やブログに妻、または妻となるFについて書いたことがないので、どのように登場させてよいか分からないのだ。いつもぼくのために食事を作ってくれ、服や下着を洗濯してくれ、住居を共にして嫌がらずに居てくれ、結婚してずっと共働きで会社と家事の両立(子供はいなかった)という離れ業を成し遂げた女性がFである。

昨日、全く些細なことで口論になってしまい、ぼくは妻と相性が悪いことにしてこんな夫婦は最悪だと自分に嘆いていた。(こう書くとバカみたいだが、口論で感情的になるとそうなる)1984年に結婚しているので今年で34年目になるが、これだけ一緒にいてもお互いは表面的にしか理解し合えていない。性格なら分かる。恋愛が苦手らしい感じはする。根は優しいし正直で天然のままのところは好ましく思っている。ぼくと妻は見合い結婚なので、恋人同士の期間に深く相手を求めるということがなかった。ぼくは自分を信じてFの善良さに適う夫になろうと決断したのだ。見合いした頃の自分というのは精神的にどん底にあった。それを救ってくれたのがFであった。

その頃、高校の時から付き合いのあった同級生の女性と最終的に別れて全く自信を失っていた。ぼくはふられてしまったのだ。それは初めての失恋の経験だった。何が悪かったのか決定的理由というのが未だによく分からない。男として積極性が足りなかったのだといえばそうかもしれないが、当時としては不器用でシャイな自分以上の事はどうしてもできなかった。それに世間的な慣習というものにほとんど無知だったために、どういうプロセスで結婚までこぎつけるのかといったモデルを知らず無駄に時を過ごしてしまっていた。彼女の父は大きな存在で見かけでぼくはすでに圧倒されていた。とにかくあの頃自分らしいところが何もなく、孤独な状況が進行して寂しさが日常を支配して、どこまでも続くような感じだった。