開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

話してみなければ分からない

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読書会に参加し始めて1年半くらい経つが、石川県には読書会連絡協議会というれっきとした団体がある。何と60年以上続いているらしい。今日県の南半分(加賀地区というのだが)の読書会から集まって「本を読む仲間の集い」があり、最初の会長の挨拶でそのことを知った。北陸3県では石川が加賀百万石の文化蓄積もあるのだろうか、ダントツの活動量なのだそうだ。今日カズオ・イシグロの「チェリスト」読書会に参加して、日頃のメンバーとは違う人達の感想を聞いて新たな体験になったと感じている。20名くらいの中で17名が初対面なのだが、司会の方の進行のうまさや元国語教師のアドバイザーも入るということもあり、触発される意見交換が可能になるのは、読書という行為の本質的なコミュニケーション展開力のような働きがあるからであろう。読書は孤独な行為ではない。いろいろな読者が自分の読み取ったことを言葉にして話すことで、始めて自分の読解力(それは現実世界の読解力にも通じる)の水準が客観的にわかるのだと思う。それはスポーツの世界と同じような競技なのかもしれない。

*写真は石川県読書会連絡協議会とは違います。