開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

「嘔吐」ひと口感想

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今朝サルトルの「嘔吐」をようやく読み終えた。のちに現象学に出会って「嘔吐」のテーマを哲学でやろうとして「存在と無」を書き出すことが予感できる小説だった。サルトルは意識に囚われていて存在にも意識があると感じているので、モノにも意識が取り付いて嘔吐してしまうのだったが、それは唯物論に通じるのではないかとぼくは密かに考えている。それを「弁証法的理性批判」で書いて唯物論を擁護していると思っているのだが、「弁証法的理性批判」は買ってあってまだ読んでいない。サルトルは恋愛は詩と同じで作り上げるものと言っていた。小説の中ではアニーという恋人に残酷に捨てられている。二人の会話を通じてだけで、それがとても厳しい恋だったと感じられた。