毎月最終土曜日の午後から、野々市市文化協会の生涯学習や趣味サークル活動の一つとして読書会がある。囲碁・将棋の会や、短歌・句会の会や、コーラスや能楽、絵画・書道・生け花・茶道の会となかなか多彩な文化活動なのだが、この地域に残る「じょんから祭り」の保存という「大義」があるためか、市も補助する活発な活動を続けている。退職後の元気なお年寄りの集合場所として、最近公民館がコミュニティ・スペースとして明るく広い建物にリニューアルされた。
読書が趣味というお年寄りの会にぼくみたいな人間がどうして所属できるのかは、おそらく読書という懐の深い行為自体に理由がある。本(小説)が好きというだけでどこか一般の人と違う趣がある。何か秘密があってどうしても普通にできない変なところを共有し合っているので、会員同士とても親切で仲がいい。おそらく他の趣味サークルとは異質であるに違いない。小説本というのは読んでみるまでは、取り澄まして表紙におおわれているが、本当のところは毒があったり底なし沼があったりする幾分危ない代物なのだが、読んでない人には分からないというところがアドバンテージなのかもしれない。