この世には詩人がいて、ロシアではとても尊敬されているという。日本では訳のわからないものは排除される傾向にある。分かりやすいものが好まれる。分からないものは自分に都合が悪いから、遠ざけたくなるのだろう。自分を基準に考えるという愚かさに気づかない。ぼくもこれまで詩人がどういう人か分からなかった。何を持っているのか明かそうとしない独立不覊な、野生の知性を持つ人たち。かといって乙女の純情にも震える華を隠し持っている。そうだ、多くの詩人は性を超える、ブッダに仕える僧たちのように高みに居る。
だから静かに満足して微笑んでいられる。