開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

自分をつくるための読書

星の王子さま」から

「金持ちになると、何の役にたつの?」
「もし誰かが、ほかの星を見つけた時にそれを買うのに役立つのさ」
「この人は」と王子さまはこころの中で思った。
「あの呑ん兵衛と同じような理屈をこねているよ」
(呑ん兵衛の理屈とは、なぜ酒を呑むかの答えとして「恥ずかしい気持ちを忘れるために」と言い、「何が恥ずかしいのか」の答えに「酒を呑むのが恥ずかしい」と言った。)

王子さまは言った。
「友だちを探しているんだ。『手なずける』ってどういう意味なの」
「今ではすっかり忘れられていることだけどね」とキツネが答えた。
「それは『絆をつくる、、、』って意味さ」
「絆をつくることなの?」
「そうなのさ」とキツネは言った。
「君は俺にとって、まだ十万人もの少年とまるで変わりのない少年にすぎない。俺は君が必要じゃないし、君もまた俺が必要じゃない。俺はきみにとって十万匹ものキツネと変わりのないキツネにすぎないのさ。だがね、もし君が俺を手なずけてくれたら、俺たちはお互いに必要になるんだよ。君は、俺にとって、この世でただ一人の少年になるだろう。俺も君にとって、この世でただ一人のキツネになるだろう、、、」

最後になって、この本によって自分が人の死について初めて美しいイメージを持つことができたことに気づいた。(どのようにしてそのようなイメージを持つことができたかは、あなたも自分で読んで確かめてほしい。既読の人ももう一度確かめて見てほしい)

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