開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

本を読んだらどうする

平井啓一郎は「本の読み方_スローリーディングの実践」の中で、読書は、読み終わった時にこそ本当に始まる、と書いている。それはどういうことだろうか?本を読んで自分なりに考え、感じたことをこれからの自分の生活にどう活かして行くかという視点がなければ読書という体験は意味がない、と言っているのだ。

読んだだけでは本当は意味がないのだ。自分がなければならない。現実の自分のことは忘れて本の世界に没入する方が、現実逃避かもしれないが十分幸せを味わえるとぼくは思っていた。一冊の本を読んだら次に何を読もうか、あれこれ考える「休息」の時間が楽しかったりする。でもそれは大人の読書ではないかもしれない。厳しい自分の置かれている世界にどう組み入れるか、思索する時間が読書を活かすことになることに注意を向ける必要が本当にあるかもしれない。それは求道的読書だ。昔の市井の、謙虚に生きる人たちが静かに読んでいた態度のことだ。あるいは、現代に生きるアリョーシャのように、、、