開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知るために、そしてそれを解くために。

(公論)哲学の復権

以下、『20世紀の哲学は「哲学の墓場」である——新たな原理の構想に向けて』から抜粋。

マルクス主義は、自由経済と資本主義が諸悪の根元だと考え、私的所有と自由競争を禁止しさえすれば、よい社会になると考えた。

しかしそれは大きな勘違いで、経済的な「平等」を力づくで実現させようとすると、逆にむしろ強大な権力システムが必要となり、その結果として、必然的に自由が抑圧されてしまう。

この事態を目撃したポストモダン思想は、反権力という対抗思想を作りあげた。しかし、近代社会における万人の自由が、じつは人民の権力によって維持されていることを、彼らはまったく見なかった。

統治する権力がなければ、むしろ先ほども言ったように万人の万人に対する闘争にならざるを得ず、その結果として、必ず力による自由の抑圧に帰結する。このことに現代思想は無知でした。

どのような「よい」統治権力を作り出すべきかが問題なのに、権力自体が「悪」だから、それを廃棄してしまえば問題は解決するというロマンチックな夢想に落ち込んでしまった。

ポストモダン思想は、相対主義の立場を取れば、権力だって相対化できると考えた。そしてそこから、どんな権力や制度も絶対的な根拠はもっていないという驚くべき論法が蔓延した。

でも哲学的にはまったく逆です。

 

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