開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

小説は親しみを作り出している

今朝、というのは早起きを習慣にしているので7時ちょっと前になるのだが、いつものように早朝の読書をしていて気づいたことがある。ここしばらくは来月読書会の課題本に選んだ「苦海浄土」を読んでいる。それは突然頭に浮かんできたのだが、「苦海浄土」とどう関係したのか分からない。

小説は親しみを作り出している、というものだった。すでに「苦海浄土」を購入して毎日のように読む時間を割いていることは、自分は作者の石牟礼道子さんとその作品にリスペクトを抱いていることを示している。リスペクトからもっと近付きたいと思って相当の時間を費やして「読んでいる」。石牟礼道子さんの水俣病罹患者への愛情ほど強くはないが、その愛情に支えられた文章を読むことでぼくも水俣病罹患者や不知火海や港や近くの山々に親しみを覚えるようになっていく。石牟礼道子さんの自然を描く文章は温かで自然が生きていることを感じさせる、宝のような文章になっている。

改めて漁師さんの至福を羨ましいと気づかせてくれる文章だった。ぼくは多読の方ではないが、これまで相当な時間を本を読むことに費やしてきた。その時間は友情の心を涵養してきたのだと思わせて、しばし心の底に温かいものを感じ続けていた。

これを書いてから、石牟礼道子さんというのは神様みたいな人なのだとこのYoutueで知った。

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