思い出すという記憶の活性化を通して、
自分の少年時代にタイムスリップする。
何とも言われぬ夢の中のような異次元が現れる。
そこではとても幸せでいられる。
結局私の幸せは少年の頃にいた世界と同じものなのだろうという気がする。
妻と今一緒に暮らしているこの環境も、
少年の頃、母がいて父が仕事から帰ってきて
弟とじゃれあっていた家の中のあの雰囲気と同じもののような気がする。
この温もりが家庭というものを中心にして作り上げている、という確信がする。
ああ、何も変わらないのだ。
きっとどんな時も私の無意識下にあって、
私を私に引きつけ続けていたのだろう。
結局のところ、私は自分を超えるような冒険に手を出さなかった。
つまりは平凡な人生だった。