今、安部龍太郎の「等伯」を読んでいる。昨日は「上」を読み終えて今日は「下」を半分ぐらいまで読んだ。ぼくは時代物の小説は食わず嫌いでほとんど読んでいない。「蝉しぐれ」と「龍馬がゆく」ぐらいだ。自分の生き方の指針になりそうなものを小説に求める読み方なので、時代小説にはそれがないと思い込んでいるからなのだろう。「等伯」は我が石川県の七尾の人で、今年の読書会で等伯の初期作品を収める七尾美術館を文学散歩で訪れることにしていて、その前準備として安部龍太郎の「等伯」を読んでいる。だから文学散歩の計画がなかったらおそらく生涯読まなかったと思う。読んでみると想像以上に面白く、読まなかったら後悔するところだった。等伯が身近に感じられるのはもちろん、安土桃山時代そのものを中に入って知ることができる。等伯は武士の出でもあるのである程度剣術ができた。