明け透けに言ってしまうと、現実はつまらない。この頃は車で街を移動していてよく欧米人を目にする。中には観光客ではなさそうな風情の人も見かける。住んでいるのかもしれない。歩いていても違和感がない。ひと昔前だったら金沢も田舎根性から閉鎖的になり他所者を警戒するところがあったが、流石に今は受け入れている。確かに住み良いところだと思う。住むにはスケールがちょうど良いのだろう。
しかし、ぼくはつまらなく思っている。刺激がなく、落ち着きすぎている。何かが起こる気配がない。都市の知的な緊張もない。かつてのようなジャズの店がない。だが贅沢は言うまい。自分の中が面白ければいい。自分の中を拡げよう。ロマンと冒険があり、縦横無尽に歴史をかいくぐり、自分と気の合う偉大な男や女と友人になる。信じられないような過酷な状況に寄り添う。昨日、そういえばまだ毛沢東について何も知らないことに気づいて、「毛沢東伝」と「中国の赤い星」を泉野図書館に貸し出しの予約を入れた。