開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

無口な人の人生

ぼくは普通に生活している中では、仕事以外で会話に出てくる言葉には興味が起こらないので自然に無口になっていた。どうして自分の人生がこうなのだろうという自己探求が、定年後の主なやることになっている。今日読んでいる小説の中の会話から、突然自分のあることが全ての原因になっている、ということが了解された。小説の中の会話には全て意味があって、全てが筋を作るためにつながっている。ぼくはそういう会話がずっと苦手だったことに気づいた。

どういうわけか日常の瑣末なことを口に出すことが億劫で、せっかく彼女とデートができたとしても、思うことを一つ一つ口にすることができないために誤解を与えてきたのだった。彼女がずっと後になってから、自分が大切にされていないと感じ続けていた、と告げられた時それは初めて気づいたことだった。そしてその原因を今になって気づくのだ。それは全く根本的なことで、自分の人生を方向付ける要因の大半のように感じられた。

単純なことだ。ぼくの無口が作り出す環境にそれとは気づかずに順応していったのだ。抽象的な言葉を交わす相手が欲しくて、本を読む仲間を求めたり、黙っていても気まずくならないで済む女性と結婚したのも単純な理由からだ。黙っていても仕事ができるからグラフィック・デザイナーを職に選んだ。できるだけ喋らずに済むように一人に閉じこもりがちになる。そこでとりあえず本を読み、いろいろ考えるようになったのが自分だ、ということ。それはやはり病気なのかもしれない。

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