虚しさや打ちひしがれた感じや気分の落ち込みの原因は、自分がある仲間や集団から除け者にされることにあることは、おそらく間違いないと思われる。孤独になっても仲間や集団を気にしない時には、そのような否定的な感情にとらわれることはない。自分が相手から無視されたと感じる時、相手を重要に感じていればいるほどそれはこたえる。人間はほとほと何かに属していると感じられる時が安心なのだ。日本の古き良き時代に共同体社会が存在していた頃には、貧しくてもみんな幸せだった。自分も共同体の一員として認められていたから安心でいられた。心にそれぞれの故郷を抱いていて、今も将来も暖かい気持ちで過ごすことができた。困っていれば誰彼となく相談できて助け合うことができた。ぼくの少年時代まではそんな幸福に浸っていられたと思う。それがいつかどこかの時点で失われた。多分、大学という環境で失ったような気がする。おそらく大学の自由な環境に触れてから、変わってしまった気がする。自由は自分を無にして解放してくれた代わりに、多くの培ってきた「絆」を失ったのだろう。それは大人の世界に入っていくことであるし、厳しい生存競争に入っていくことであった。その時ぼくはたった一人に取り残された。そこから歩み出すしかなかった、、、