開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

特攻隊と星の王子さま

昨日ブログに書いたことが当然自分に返ってくる。I'll be a person to encourage.と書いたら、そのような自分になろうと考えることになるよね。自分がこれまで読んだ小説の登場人物の中で、君に紹介できる人物がいなかったか頭をめぐ回らせてみたんだ。例えば「星の王子さま」にしても「デミアン」にしても「青年の環」の主人公の矢花正行にしても、「自由への道」のイヴィッチにしても、みんな君やぼくと同じような身の丈じゃないことに気づいたんだ。何か特別で既に偉大なところがあって、今のぼくたちが住んでいる世界と違いすぎて、生きる糧にならないと思えたんだ。小説というのは既に非現実で、普通にぼくたちが住んでいる世界とは次元が違っているらしいね。じゃ、やっぱり参考にはならない、ということなのか?どうだろう?例えば、以前星の王子さま」についてこのブログに書いたことがある。

星の王子さま」から確かにどのように生きるべきかのメッセージは受け止めることができる。人生の本質的な深いメッセージが書かれてあることは誰でも気づくよね。ところがその通り自分が生きることができるかとなると、自分は王子さまなどではないと身のフタもないことを思ったりする。すぐにできないことを言い訳したりするんじゃないかな。

もう少し粘って考えてみよう。星の王子さま」の作者サンテグジュペリは、ドイツ軍のフランス侵攻から逃れてアメリカに亡命した元空軍パイロットだった。仲間のいるフランスに戻ろうとして、一人で飛行機に乗って帰らぬ人となった。「星の王子さま」と自分が一体になったと考えると、メッセージの意味も現実的になってくると思わないだろうか?今生きるぼくたちは、サンテグジュペリにも共感することができる。

話は跳ぶが、同じパイロットでぼくらは特攻隊員にも書き残したものを読んで共感することができる。それは小説の登場人物ではなく、同じ日本人で人生の先輩にもなる。ただ比べるのも気がひける感じもするが、サンテグジュペリは普遍的なメッセージを残し、敵であるドイツ空軍にも信奉者を持っていたんだ。国や家族を超えて「星の王子さま」というキャラクターを通して普遍的なメッセージを残し得たことは、(民族を超えて)やはり賞賛すべきことのように思える。