2020-09-05 十九歳のころのぼくを包む少女 自分史 十九歳のころ、なんて世界は優しくぼくを包んでくれていたことか、奇跡のようだ。ぼくが十九歳の時、世界は1972年だった。テルアビブ乱射事件で岡本公三がぼくのイノセンスを破壊したが、それはまだ遠くの出来事で半分夢心地のままでいられた。その頃ぼくの身の回りは不思議に解放された、自己表現に溢れた時代のエポックを迎えていた。セント・ヴィクトワール山の見える丘の家の離れは、自己表現を育てる繭の働きをした。その自己表現の妖精の一人が五輪真弓だった。 www.youtube.com