先週の火曜日、秋晴れの日、まだこの春に買った新車で県外に出ていなかったこともあって、ドライブも兼ねて富山県美術館に行ってきた。富山県美術館の企画展は石川の新聞(北國新聞)に広告を出していて、ぼくはその広告がしばらく気になって頭の隅にあった。そういえば、富山近代美術館には30年ほど前に行ったきりで、新しく出来た富山県美術館の方はまだ行っていなかった。「世界一美しいスタバ 富山環水公園店」とされているスタバの近くにあることも知っていたので、いつか行く予定にしていた施設だった。今回の展示は4人のキュレーターが想い想いの趣向で、所蔵されている作品を紹介するものだった。日本のシュールレアリスムの大御所である、瀧口修造が富山県出身であることから富山県は近代美術館の時から、海外国内の近代から現代にかけての著名な作品を蒐集してきている。今回ぼくにとって意外だったのは、思いがけずフランク・ステラの現物に出会えたことだ。これまで「美術手帖」や「みづゑ」で写真でしかみることのできなかった作品を間近でみることができた。フランク・ステラの作品は千葉県のDIC川村記念美術館でしか見れないと思っていたので、お隣の富山で出会えたのは嬉しい誤算だった。いつかはDIC川村記念美術館まで訪ねようと思っていたのが、予定外に早く実現した事になる。
ところで妻の方は高速道路が富山県に入って、立山連峰が車のウィンドー越しにパノラマで見れたことに喜んでいた。天気がよかった日にすぐに行けるリタイヤ生活の特権で得られた幸運だった。コロナ禍で週末には混み合うリスクも避けられる特権もある。日頃は出費を控えた慎ましいリタイヤ生活を送っているが、美術館巡りは予てから予定されていたことなのでそれが実現すると嬉しいものである。