「、、、その面影を通して、彼自身の青春を再発見し、それからその人生の出発点にもう一度立って、架空の未来を眺めることで、彼が本来なるはずだった、現在とは別の彼自身のの姿を、おぼろげに描き出し、更にその実現することのなかった本来の彼の姿に、出来るだけ近付くための努力に、停年語の半生を捧げよう、というのが、彼の夢想的な計画であった。」
これは中村真一郎の四季四部作の一作目「四季」第3章の最初の方からの抜粋である。驚くべきことに、これはぼくが定年後にやろうとしていることとほとんど一緒である。老年に入る前に生涯の仕上げに、同じことを考えるものなのだなと感じ入った次第だ。