何のために働くのかと問うて、生きていくためにと答える。では何のために生きているのかと問うて、まさか働くためとは答えないだろう。幸福を得るためと答えるのが一般的だと思える。ではあなたは働いて幸福が得られただろうか?高度に発達した現在の資本主義国では生産性が向上して、1日に4時間働けば経済を維持発展させられるという。生産性が向上して得られた利益が働く者に公正に分配されることなく、長時間労働が強いられている。どこかおかしくないだろうか?生産性は改善や設備の更新で向上せず、下降するのだろうか。働かなくても経済が国民全体を文化的に暮らしていけるほどに富を蓄積しているのなら、必要以上に働くことを美化するのは幸福追求への障害となるのではないだろうか?そんなことを考えさせるのが、ラッセルの「怠惰への讃歌」という本だ。特に定年退職者には働かない勇気になる、必読書だ。
____人類にとってまったく新しい閑暇の時代においては、われわれが長い貧乏の時代に教え込まれてきた道徳や習慣や考え方の根本的な変革に迫られる。(リンク先記事からの引用)