開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

君にありがとう

こんなに遠く誰もいない打ち捨てられたところに

君を連れて来てしまってそれでも平気でいてくれて

ありがとう

君が不思議そうに笑うのを申し訳なく

思ったものさ

どんなに感謝しているか君には分からないかもしれないが

一人になってこれまでの君の無邪気さに

泣けてくるのをそのままに過ごす夜もあった

誰もきいてくれそうにないような誘いにも

君は疑うまでもないように

自然を装うことも知らないで

善良なまでに微笑んで横に居てくれた

どうして君は欲がないのだろう

何も欲しがらず、小さなことに満足する

古風で、間違ったことに容赦なく

ぼくの落ち込みにそっと提案をする

その気遣いのセンスの良さに

信頼を百倍にして

返さなくちゃいけないね

いつか分からないけれど

あまり甘えないでおこうと思う

近くにいるようで遠くにいるような気がして

情けなくなる自分だけれど

君のことはわかっているつもりだ

自分ばかり不器用な男だと思っていたが

君もぼくと似ていると思う