自分を知るには、やはり他人との比較というやり方が分かりやすい。どうしてぼくは、この人と違うのかという問いを自分と似たところのある人に設定して、自分に問いかけてみる。まず年齢が同じで趣味が同じで長期的な見方をするのも同じで、ブログも書いている男性を今日見つけた。ものすごい勉強家だった。同じく退職後英語に興味を持ち、翻訳という分野にもぼくと同じようにハマっていかれたが、実際に英文の文学書を和訳されていた。徹底されているところがぼくと違う。かろうじてぼくの優位が自覚されたのは、ぼくには文体があるということだった。ブログの文章に何かぼくの方が格があるような気がした。格とは独自の主体性のことで、どこかで機能性以上の言葉の繋げ方をすることだ。というか、気持ちを言葉のつながりに乗せて表現できているかどうかだと思う。言葉を自分のものにできているとまでは言わない。相対的な言い方しかできないから、ぼくはその人と比較して、言葉に身体性を持たせているということだ。