これまで読んできた本の様々な知識や出来事や人生観や思想などから影響を受けて、あなたの考えが作られていると思う。誰それはこう言った、ということをいくつも挙げることができる物知りな人がいると思う。読んだ本の解説を述べて、自分の読んだ経験からお勧めの本を動画に上げているYoutuberも最近は出てきている。小説もエンターテイメントの一つとして面白く読めればいい、と考えてる人はいっぱいいると思う。ぼくは小説を娯楽の一つと割り切れない部類の人間だ。どうしても小説を書かないとおれないという種類の人間にぼくは興味を惹かれる。村上春樹の小説がなぜ、中国や韓国やロシアやイスラエルやチェコやドイツやアメリカで翻訳されて読まれるのだろう、と考えたことはあるだろうか?世界は共通の何かを持っている。失われた身近な人に対する鎮魂の気持ち、やり直せない過ちを悔いる気持ち、どこにも居場所がなく孤立に追いやられた過去からの回復の旅など、人生で出会うことに共通の世界的なアスペクト(相)がある。共時的な出来事さえある。何も最初から世界を意識したわけではないだろう。自分を深く掘っていったらそうなったということだろう。それってエンターテイメントだろうか?人が生まれて精一杯生きて死ぬ、ということの意味を古今東西の芸術家や思想家が問い続けた。小説家ばかりではない、詩人や画家や音楽家が生涯をかけて追求した成果を知ることができる。科学者は20世紀でどんどん世界を破壊してきた。21世紀は破壊から何かを生み出さなくてはならないと思う。最初は読書会の参加者を募るために書き出したら、大きく話が進んでしまった。