開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

歴史を感じるこころ

美大OB・OG6人のグループ展があって、案内のDMに是非見にきて欲しいと手書きのメモが書かれてあったので、重い腰を上げて見にいくことにした。6人の中の3人はぼくと同級生だった。3人のうち1人は工芸科のOGで、ぼくはすぐに顔を思い出したが、彼女は知らないと言った。1年の時にぼくは彼女を一度だけデートに誘ったことがあったのに、忘れられていた。今は滋賀県に住んでいるということだった。何にもないところよ、という彼女にいいところじゃないですか、歴史がいっぱいある、とぼくは返した。歴史がいっぱいあるというのは変な表現だが、紫式部石山寺源氏物語を書いていたり、織田信長の水軍が琵琶湖を水路に使っていたり、明智光秀が活躍していた場所がいくつもあったと思う。でも住んでいる人からすれば、何にもないと感じるのは否めないのかもしれない。何しろ歴史は直接的には見えないからだ。見えないにしても何となく、情緒で雰囲気は感じるのではないだろうか?想像力のチカラを借りることによって、住んでいる場所を見直すことができるのではないだろうか。