開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

隠遁者から地域住民になる

定年退職してただの人になって、人間関係がリセットされて、さてサラリーマンを卒業して自分にはどんな道が開かれるかは、単なる人生のテーマではない。それを考えるにあまり余裕はなく、自分探しの焦燥感がつきまとった。どうしても歩かざるを得ず、空虚を埋めるために自分を受け入れてくれる居場所がどうしても必要だった。妻と二人の時間が増えたし、趣味は定年後の生活に必須になった。つまり不可逆的な流れがあり、流れに飲み込まれながら進むしかなかった。基本的に生きるモデルは隠遁者のものになったと思っていたら、数年してようやく近頃は外に出るようになった。原因を辿ると、公民館の読書会に参加したことが始まりだったと思える。5年ほど欠かさず参加していたら会長に推され代表になると、市の文化行政に関わるようになった。人口5万人で市制10年の小さな自治体では、市民と行政の関係も親密な人間関係になりやすいことがわかった。金沢市民でいた45年ほどの間では感じられなかったことだった。

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