開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

70年代のぼくに見えていたもの

 失われた時代の雰囲気を再現したいとこれまで何度も思ってきている。70'sの音楽を集めて今聴いている。サイモン&ガーファンクルTレックスデビット・ボウイやドアーズなど。ユーミン五輪真弓ハイファイセットなど。泉谷しげる吉田拓郎井上陽水など。それらは70年代に新しい感性を生んだ。ザ・フーレッド・ツェッペリンやクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイバルなどはそれほど時代が影響していない気がする。ブルースやカントリーの伝統に踏まえているからだろう。おそらく70年代に、60年代後半に起こった社会変革の挫折が「回収」されたのだろう。一度既成の文化的な一切が破壊されて、個人の瑞々しい感性が自由に世界をつくったのだ。新しい階層が生まれたのかもしれない。むしろ現在の方が差別や貧困という社会的な下層化が進んだと思う。あの頃は、まだまだ精神的に余裕があった。理念や観念に遊ぶこともできた。それも少数のマニアックな人たちではなかった。時代をリードさえした。その頃の空気を一番表現できた自由人を一人挙げるとしたら、村上龍かもしれない。

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