開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

自分との距離の取り方

河合隼雄がある講演で、自分は長い間「河合隼雄」という男と付き合っている、それが面白くて興味が尽きないと、嬉しそうに語っているのを目にしたことがある。自分を素材にして心理学の研究対象にして来たのだろうと思うが、ぼくには自分とのその距離の取り方が面白かった。ぼくも生まれてこのかた、「藤井真人」という男と付き合って来ているが、そろそろ若者ぶるのを辞めさせないといけないかなと思い始めている。もう青春に帰るのも止して、年寄りの仲間入りしたらどうかと思う。つまり自分にナルシスティックにこだわるのも、いい加減にしたらと言いたくなった。自然に自分を世間に晒して他力を信じてみるのもいいかなという気分になっている。他力って本当は難しいのだろうが、楽になるような気がするのは当っていると思う。身をまかせることに賭けて見る方が面白いかもしれない。最終的には自分が責任は取るわけだが、流れを作って任せるのは冒険だし、自分を鍛えることになると思う。