開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

I was shy and timid

I was shy and timid, so my love was always unexploded.

今から思うと、ぼくは恋愛感情はあったが恋愛体験はできなかった。恋愛小説のいくつかを読んで、その事実を認めざるを得ない。昔はぼくも恋はしていたと思っていた。好きでいてもたってもいられなくなり、電話をして会っていたのを恋と呼ぶのかと思っていた。しかし二人っきりになるチャンスがあっても、もて余すだけでちょっとした間ができて、次には進まなかった。がっかりする自分を取り繕って、友達のように振る舞った。相手の方は自分に魅力がないのかと思ったかもしれない。いわゆる友達以上恋人未満という状態はあったかもしれない。今の妻となんとか結婚はできたが恋愛によってではなかった。結婚してから恋愛しようと思っていた。妻も恋愛は苦手のようだった。でも彼女はぼくより感情が豊かで気性も激しいところがある。昨日どういうきっかけだったかは忘れてしまったが、新婚の時、映画を観に行ってぼくが結婚指輪を落としたことがあったのを思い出していた。その時、二人で探しても見つからなかったので一度映画館を出た。ぼくは仕方がないと諦めていたと思う。でも妻は決心してもう一度戻り、座席の近くで見事に見つけたのだった。ぼくは自分が諦めたことを帰りの車の中で何度も悔やんでいた。ぼくには本当の心というものが欠けている気がする。十分に生きているという実感をどこかで失ったような気がする。それはぼく自身のせいなのだろうか?