今日は午前中に柳沢先生の万葉集講義を受けに行き、午後からは母を川北整形外科に連れて行って、その後買い物にスーパーに寄って実家まで送り届けた。ここの所火曜日は毎週その繰り返しになっている。夕方から夜までは自由な時間だ。自分の時間になると閉じ篭りたくなる。初期高齢者の自閉症だ。でも幸い独居老人からは免れている。自分が一番自分らしかった頃に戻りたくなる。1968年から1973年ごろまでの自分の内外世界を心の中に再現してみたくなる。記憶と想像力を頼りにして、面影と雰囲気を頼りにして、媒体となるPOPSや本や、社会的事件や歴史的変動をきっかけとして、しばし夢想のひと時を過ごす。いつも一人ぼっちだったけれど、その頃は孤立感は無かった。むしろ幸福感の中にいた。トルストイやヘッセやロマンロランに親しんでいたのに、急にマルクスにまで飛んでしまった。おそらく影響されやすい性格なのだろう。時代の空気がそういう流れだった。友達の家にマイルス・デイビスのLPを持って行って自慢のコンポで聴いていると、友達のお兄さんが来て、サルトルの「自由への道」を読めとひとくさりオルグ口調で話していったりした。ぼくと友達はビートルズの音楽性は国境を越えるみたいな話で対抗したりした。その頃将来の自分の人生をどのように描いていたのだろうか?具体性は全く無かった。とにかく大学に行ってただ漂うだけの未来しか自分には無かった。