開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

最近の関心の移り変わり

最初は地元野々市市の文化講演会に上野千鶴子氏が呼ばれたことから、この機会に少なくとも著書を読んでどんな人かを自分なりに掴んでみようとしたことから始まる。今年の3月に唯川恵さんのトークがあり、来年がその文化講演会の2回目なのだが、当初の水橋文美江さんが日程の関係で都合がつかず急遽変更になり、ぼくにとっては思わぬ人選と受け止められた。確かに高校は金沢の二水高校を出ているので、金沢と縁がないわけではないが、人口5万足らずの金沢の隣の市に講演に来てくれるとは思わなかった。

唯川恵さんや水橋文美江さんの時に、最低でも三冊の著書を読んでいたが、上野千鶴子氏は社会学者で著書は小説のように簡単に読めるものではなかった。玉川図書館から「近代家族の成立と終焉」を借りて読み出したが、統計を元に展開する学術的な論文を読み続ける気力が続かなかった。そこでネット上にアップされているいくつかの動画を視聴することにした。東京大学での入学式のスピーチが有名になったが、上野千鶴子氏はとてもスピーチがうまかった。原稿を用意せずに思いついたまま話すのもうまかったし、原稿を用意したと思える講演も簡潔で分かりやすく聴衆の心を掴んでいた。これまで頼まれたことがなかったと言いながら、憲法に関してや原発学生運動(第一次羽田闘争で亡くなった山﨑博昭さんとは京大で同学年だった)に関する発言も臆することなく、自身の立場を明らかにしながら淀みなく進行していた。ジェンダー論、女性学の元になるウーマンリブの活動は新左翼運動から生まれたことを隠さなかった。憲法では平和主義を継続する改憲論者だった。ぼくは勇気と覚悟をそこに感じた。昔からその姿勢は変わらず続いているもので、生前の江藤淳が自身の本の出版に際して、解説を彼女に依頼したほどに評価されていた。それは老後を趣味で楽しみながら過ごそうとしていたぼくの心を幾分揺さぶった。2021年の暮れになって再び、社会問題に向き合おうと決めることにした。

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