開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

今年の目標の一つを部分達成する

今年の目標の読書目標で、『人新世の「資本論」』を読了する。目標に設定したことをやり終えるのはやはり達成感がある。読書目標にこの本を選んだのは、思想書で40万部以上売れている話題の本であることももちろんあるが、今の若者の一人とマルクスという古典的な巨人との結びつきに興味を惹かれたからだ。今更マルクスを持ち出してきて、どこに新しさがあるのだろうとまず思った。東西冷戦の終結ポストモダンの冷笑的思潮の後に、つまりかつてマルクスに共感した者の絶望の果てに何か生まれるものがあるのか、についてだ。緑の党や反原発市民運動Occupy Wall Street運動などの動きは知っていたが、それらを脱成長コミュニズムに論理的に持っていく展開に新しさを認めることができた。団塊の世代が若者のころのマルクスは革命家のイメージだったが、今の若者が求めるのはエコロジストのマルクスである。プロレタリア独裁や前衛党のことはここでは出てこない。資本主義が破壊する共同体を守り、土地や水などの公共的使用を法的に認める理論的根拠を示しもする。かつて日本にもあった、信頼と相互扶助の精神を復活させるというような「保守」もあったりする。マルクス主義にも色々あってもいいし、あくまで言論で批判し合う文化が定着するといいと思う。かといって闘わない訳ではない。技術を無批判に信用した楽観的マルキストには、かつてマルクスプルードンに対して放った「空想的」という用語を使った。ぼくには疎外概念より、物質代謝という概念の方が環境の時代には、革命的威力を持つと思われた。

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