開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

Wilson's wife from the novel "Great Gatsby"

村上春樹訳のグレート・ギャツビーを読んだ時にはあまり印象に残らなかったウィルソン(中古自動車販売の店主)の妻でトムの愛人が、今学習中のオーディオブックス版では興味を惹きつけられた。日本語では素通りしてしまった部分が英語では新鮮な描写に感じられた。つまり鮮やかにぼくの脳裏に映し出された。そして同じ箇所のフィッツジェラルド原作の文章を見てみると、かなり表現が高度になっていた。作家ならではの微妙な言い回しがされていた。逆にオーディオブックス版ではうまく簡略にまとめているなと思えた。なるほど、こういう風に英語で表現するのかという、面白さの発見があった。それと同時に、100パーセント日本語には訳しきれない英語独特のニュアンスがあることも分かった。

 

(オーディオブックス版Great Gatsby

We heard footsteps on a stairs, and in a moment thick shape of a woman blocked the light coming from the office door. She was in her mid-thirties and was rather large, but she carried her extra weight pleasantly as some women can.  Her face was not beautiful, but there was a visible air of life and excitement about her, as if her blood was always running hot.

Google自動翻訳)

階段で足音が聞こえ、一瞬で女性の太い形がオフィスのドアからの光を遮った。 彼女は30代半ばで、かなり大きかったが、一部の女性ができるように、彼女は余分な体重を快適に運んだ。 彼女の顔は美しくはなかったが、まるで彼女の血がいつも熱くなっているかのように、彼女には目に見える生命の空気と興奮があった。

 

(Great Gatsby原文)

Then I heard footsteps on a stairs and in a moment the thickish figure of a woman blocked out the light from the office door. She was in the middle thirties, and faintly stout, but she carried her surplus fresh sensuously as some women can. Her face, above a spotted dress of dark blue crepe-de-chine, contains no facet or gleam of beauty but there was an immediately perceptible vitality about her as if the nerves of her body were continually smouldering.

Google自動翻訳)

それから私は階段で足音を聞いた、そして一瞬で女性の厚い姿がオフィスのドアからの光を遮った。 彼女は30代半ばで、かすかに丈夫でしたが、一部の女性ができるように、彼女は余ったものを官能的に新鮮に運びました。 紺碧のちりめんの斑点のあるドレスの上にある彼女の顔には、美しさのファセットや輝きはありませんが、彼女の体の神経が絶えずくすぶっているように、すぐに知覚できる活力がありました。

村上春樹訳)

階段に足音が聞こえ、やがてむっちりとした女性の躯体が、事務室のドアから漏れてくる光を遮った。三十代半ばで、どちらかといえば肉付きがいい。しかし彼女は、ある種の女性にしかできないことだが、その余分な肉を優美に扱う術を心得ていた。彼女は水玉模様の、ダークブルーの柔らかい布地のデレスを着ていた。顔には特別な美のしるしや輝きはなかった。しかし彼女が内に秘めている活力は、一目で感じ取れた。彼女の身体の中心部分が絶え間なくくすぶっているような印象がそこにはあった。

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