人からどう思われるかを無意識に気にしていたようだ。自分が新しくある集団に加わる時に、先輩たちの無意識的な排除にあわないように、郷に入っては郷に従っていた。自分を先に立てず、先輩の後にいつも控えていた。守破離の守段階にいた。そうして遠慮ばかりしていた。それが定年後、地域社会に出て行く時の基本スタンスだった。ところで、今日それを破ることになった。遠慮せず、思い切って自分の思うがままに「打って出てみた。」そうしたら界が開けた気がした。上手くいったという、爽快感があった。遠慮している間は、上手くいかなかった。ダメなところを分析して、次から改善しようと心構えていた。しかし、モグラ叩きのように次から次にダメなところに突き当たっていた。改善では同じ位相にいる、と思える。思い切って「前に」でなければならないのだ。先輩や周りを気にせず、自分が感じた通りに行動すればいいのだ。ぼくはようやく自己改造のコツをつかんだ。つまり連続と非連続の狭間を知ったのだ。