開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

山本哲士「哲学する日本」を読み終える

今年の目標のうち、学術書を読み通すの3冊目「哲学する日本」をようやく読了する。これまで「バカの壁」のような200ページ程度の新書は読了していたが、500ページ以上の今回の新書は初めてだった。前回のフロイトの「精神分析入門」も学術的な知見を拓くに十分な読み応えがあったが、今回の「哲学する日本」はそれ以上だった。praxsis=実践とpratiques=実際行為の区別が既存の現代思想界では全くなされていないことの現実が理解できたのは、サルトル以降の哲学界の状況が掴めていなかった自分にとって大きな収穫だったと思う。そして本書は日本語の述語制の特長が近代の主客二元論を超えて、欧米の近代思想より優位に立つことを具体的に縦横に論述している。これも日本には思想がないと加藤典洋(「日本の無思想」)などが述べていた状況を覆して十分だった。それは唯識との出会い以来のことだった。日本の自己認識に新たな領域が開かれ、自分自身も自信に繋がった。1ヶ月半程度読解に時間がかかったが、ともかくも読み終えた経験は次に繋がるものだった。次の学術書は有名な柄谷行人の「トランスクリティーク」だが、山本哲士氏は柄谷行人を偽物だと言っている。柄谷行人は反論をしているのだろうか?