開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

夏の、1枚の形而上絵画

今日は真夏並みの暑さになった。最高気温32度になった。妻が車の助手席で、だんだん季節が早まっている気がすると言ったのに同意する。まだ6月なのに、梅雨も明けていないのに真夏になっている。実を言うとぼくは暑いのは平気で、身体に力がみなぎってくる。ただしカラッとした暑さという条件はあるが。多分、夏休みの記憶も重なるのだと思うが、夏は開放的で自由の気風がする。夏になると思い出す1枚の絵がある。ジョルジョ・デ・キリコの「Mystery and Melancholy of a Street」といういわゆる、形而上絵画である。

乾いた夏の「広場」に静寂が訪れている。気づいてみるとそこに迷い込んでいる。一瞬の時間のズレに嵌まり込んだ気がする。あまりにも暑いのでちょっと目眩がしたのかもしれない。ふと眠り込んでしまったのかもしれない。ヨーロッパでシュールレアリスムが運動として時代の雰囲気を席巻していた、という。大学の時、その時代の美術史に憧れを抱いていた時期があった。ぼくは、シュールレアリスムはヨーロッパの革命を夢の形で先駆けていたと考えていた頃だった、、、