開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

資本主義に抵抗するには

今年の目標のうち、学術書を読み終えるの4冊目「トランス・クリティーク」を今日達成する。随分苦労したがとにかく読了した。意味が追えなくなれば眠くなるので、最後まで読み通せたということは、書いてある意味を理解することはできたことになる。マルクス新自由主義の資本主義社会下で読む意味があるということを提示している。19世紀の人であるマルクス資本論を今日生きた理論として蘇らせるには、柄谷行人のような「読む人」が登場しなければならなかった。資本論だけでなく、ほぼ全てのマルクスの著作から取り出した言説は、柄谷行人の読解法によって無敵の論理に変わる。あの吉本にさえ、「ルイ・ボナパルトブリュメール18日」をもっと丁寧に読めと言っている。ここで解説する能力も根気もないが、読後の感想を一言いえば、完璧に見える資本主義も意外な弱点があるということだった。それは労働力商品というままならぬ人間が相手だということと、商品は消費者(労働者でもある)が買わなければただのゴミだということだ。要するに、働かない人間と何も買わない人間の2種類の人間に弱みを握られている、経済システムなのだ。働かない若者が増えて、不買運動が組織されると成り立たなくなる危険を内包しているのが、資本主義なのである。しかし、資本家は国家とイデオロギー装置を駆使してその危機を回避する。金さえあれば簡単だろうと考える。もし柄谷行人のような読むチカラがなければ、現在のウクライナ戦争を巡る報道のようなやり方に騙されてしまうだろう。難しい本を読むのは確かに骨の折れることではある、しかし現実の方がもっと手が込んで「読む」のが難しいと思う。現実社会の仕組みを解読する理論は、現在でも「資本論」が1番なのかもしれない。