開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

妻は機嫌が悪くなる

69歳の今、自分は歳を取っているという実感はない。終活なんてまだまだ先の話だ。まだまだ定年はずっと先だと思っていた頃、ぼくの定年後は読書三昧だと考えていた。今、読書三昧という状態には至っていない。読書はするが、本を読み続けるのは幾分義務的になっていさえする。三昧という境地に憧れるが、基本的に無理を感じる。簡単に自分だけの世界に入り込めなくなったのを感じる。サラリーマンの時の方が、自分の中に入り込めた。最大の原因は、ほとんど一日中、妻と一緒にいるからだ。もう、自分だけが楽しもうとすることが、無言の批難に遮られる。ぼくは仕事から解放されるが、妻は家事から解放されない。掃除だけは分担するが、料理、洗濯は妻だけの専業だ。ぼくだけが遊んでいると、妻は機嫌が悪くなる。