開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

「唐牛伝」を読む

今日一日中「唐牛伝」という学生運動の活動家の評伝を読んでいた。唐牛健太郎は60年安保の時の全学連の委員長だった人だ。戦後の日本の進路が決定される一大選択の場面で、国民的運動の高揚を指導した学生運動リーダーの一人としてシンボル的存在だった人だ。とにかく事実として受け止めるために読んだ。現代史のリアルな政治闘争というものが、どのようであったかを一人の人物の評伝を通して知る読書になった。生身の具体的なキャラクターと全学連委員長というポストでのパフォーマンスが記憶に残るものだったことがわかる。活動家のあと政治家にはならず、マスコミに出る評論家にもならず、大学教授にもならず、一庶民のままに色々な職業を破天荒に転々とした。インテリタイプではなく、理論家や思想家ではなく、言語活動よりアジテーションの人だった。組織の人ではなく、生涯個人として自由に生きたと思う。もちろん凡人の何倍かの苦労をしてはいるが、基本的に楽しく生きたのではないかと思った。