最近、地元の読書会が毎年主催している「公開文学講演会」をぼくが担当して主催した。講師の先生への依頼や関係者への周知や文化協会ホームページへの掲載、当日の司会などを小規模ながらも一手に従事した。先生への自宅まで行って打ち合わせを行い、親しく文学談義をさせていただいたり、野々市市の生涯学習課担当者の方や石川県読書会連絡協議会の会長さんまで来ていただいた。昨年も同じように主催して実施したがほとんど人が集まらなかった。昨年の講師の先生とは距離があった。文学に対する趣向が違っていた。今年は先生は時代小説を書かれてぼくは馴染みがなかったが、文学に対する熱量では共有することろがあった。先生との分け隔てのない文学談義や講演後の雑談などで、プロの小説家と全く素人の読者の壁が解かれてみると、小説家の能力のすごさを肌で感じることになった。小説家が掴む真実には生きた感情が付いていて、客観的史実では見えない現実が捕まえられているという迫力があるのだった。身近に感じることでその凄さが初めて分かった気がした。