開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

文学をコンテンツ化させる

読書会の仲間と文学書を読むことは、もう立派な遊びになっている。読書は一人の孤独な営みだけど、読書会はそれぞれ読み取った経験を自己表現する場になっている。その中から取り出される、その人によって意味付けられる解釈に味わいがある。趣が感じられる。深く納得される読み取りの発見があったりすると、一段と濃い空気に変化する。自分だけの読書から数倍豊富になった読書経験が得られて、みんな少しづつ成長するように感じられる。この前の読書会では、石垣りんの「子供」という詩と、インドの作家ブレームチャンドの「私の兄さん」と、ナイジェリアの作家チヌア・アチェベの「終わりの始まり」を読んで、それぞれの感じたことを話し合った。新しく名前を知る詩人、作家との出会いは、それまでの現実をどこかで超えていく。決して分かりやすさに流されず、異質なものとの出会いを楽しむひと時の遊びは、文学をコンテンツ化させることになっていると思う。