開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

市民読書クラブ

小説を書く人達で仲間を作るのは同人という。小説を書くことまではしないで、好きに読んで楽しむ仲間を作ることは何というだろうか?サロンという古めかしい言葉がある。ジョイスの何かの小説を図書館で立ち読み(椅子に座って読むほどでなく)している時、それは誰か文学が趣味の有閑マダムのホームパーティの場面だった記憶がある。そこで交わされる会話は小説の中身にはほとんど触れず、スノッブなおしゃべりばかりで社交が目的のようだった。ちょっと有名な人気作家に近づくための、人脈作りに集まっているみたいな感じ。サロンというのはそういう文脈だろうと思う。石川県には白山の麓の白峰村というところに、「白山麓僻村塾」という公益財団法人がある。理事長は、押しも押されもせぬ現役作家、池澤夏樹である。著名な講師陣を揃え、地元村民を始め県内外から受講者を集めているらしい。講演の場所は白峰村の旅館が常宿になっているが、県立美術館で行われることもあるみたいだ。多少頻度は多くないのだろうが、石川県には地域の文学的な団体があって、文化的な民度は高いのだろうと思える。その上でぼくは地域に身近に集える、市民読書クラブというものを作りたいと思う。著名なプロの作家を先生に迎えることはできないが、文学愛好者の集える場所を作りたい。常時誰かがいる「サークル室」を確保することはできないものか、、、