開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

100分de名著ヘーゲル「精神現象学」を見る

ぼくにとってヘーゲルは身近な存在で、番組のほとんどは馴染みのものだった。平明な解説は流石にヘーゲルを過たずにとらえていた。アウフヘーベンと言う概念も弁証法と言う概念もプルードンが正、反、合という解説で俗流化して伝えたのを排して適切に解説されていたと思う。主人と奴隷の弁証法で依存と自立からすると両者が逆転する有名なテーゼも紹介されていて、分かりやすかったのだが、その場面でぼくは資本家と労働者を例として考えた。番組ではそこまで具体化されなかったが、マルクスまで進むとヘーゲルから離れてしまうからなのだろう。でも現実の資本家は労働者をいつでも変えられるので実際の個人としては、資本家の個人は主人のままだろうと思える。ただ個人の労働者を変えても労働者という存在はなくすことができないから、階級として依存し続けることになる。しかし階級として逆転するかは人類史の発展のかたちをどう見るかにかかっていると思う。ヘーゲルは両者は相互承認しうると考えたのだろうか?現代はあまりに悟性的判断に止まることばかりで理性的になれない時代だと思う。ヘーゲル弁証法的理性は絶望を超える粘り強さがあって、理性の強さとしなやかさには学び取るべき多くの哲学があると思う。実際には「精神現象学」の入り口で停滞して読み進めていないので、予感がしているだけなのだが、、、